footera1953’s diary

本、旅テーマは色々ある。まだ、方向性は固まっていない。

とうがらし

はてなブログのHPで「人に言ってみたくなる蘊蓄」というテーマを提案していたので、早速参考にした作品です。

 

 いろんな本を読むがどうしても自分の好み、趣味があるので選ぶ作品に偏りがでる。そこで趣味ではない本をタイトルに惹かれて選ぶことがある。そんな本がヒットすると嬉しい。今日のうんちくはそれらの本の一冊から。

 

 「文明を変えた植物たち・・コロンブスが残した種子」酒井伸雄

 

 この本は、アメリカ原産の植物が文明に与えた影響について教えてくれる。同書では6つの「たね」を扱っておりどれも楽しいが、今回はお気に入りの一つ「唐辛子」のうんちく。

 中南米原産の唐辛子は分類学上は4種類。そのうちメキシコ産のアンヌーム種だけが世界中に広がり栽培されていった。唐辛子、ししとう、パプリカ、ピーマン等々様々な(2,000種程度)名前の付いたものがあるが全て元はこのアンヌーム種である。育った環境や栽培した人たちの選別でどんどん変化して行ったのである。

 同一の種であることの確認方法はかなり力業。それぞれの唐辛子を同一環境の下で栽培し、世代を重ねると品種間の差が少なくなっていき、さらに栽培を続けると同一種の集団になってしまうと書いてある。

 さて、コロンブスが大陸に上陸したのは1492年。日本に唐辛子が伝わったのは、1552年に宣教師から豊後の大友城主に寄贈されたのが始まりとされている(日本の植物史)。世界への伝播はかなり早い。朝鮮半島にもほぼ同時期に伝わったと考えられているから、キムチが生まれたのはこれ以後と言うことになる。

 唐辛子と書くので唐(中国)から伝わったように見えるが、この本では日本から朝鮮半島に伝わったものが、再度日本に紹介されたのではないかと推察している。