footera1953’s diary

本、旅テーマは色々ある。まだ、方向性は固まっていない。

じゃがいも

お題「披露する機会がないけど語りたい薀蓄(うんちく)教えてください。」

 「文明を変えた植物たち…コロンブスが遺した種子」から「とうがらし」を紹介した。残りの5つについて特に質問はないがお答えする。それらは「じゃがいも」「カカオ→チョコレート」「トウモロコシ」「ゴム」そして「たばこ」。これ以外にも「トマト」「かぼちゃ」「ひまわり」「インゲン」などかなりのものがある。最近流行中の「梅毒」もコロンブスが持ち帰ったとされているが、こちらは植物ではないので対象外。

 ゴムがなかったら、自動車の発展はあったんだろうかと思うところであるが、今回はこの本が最初に取り上げているじゃがいも。『インカの目覚め』と言う品種があるように、じゃがいもの原産地はインカつまり南米の高地である。じゃがいもの特徴は以下の通り。

・エネルギー量が、当時栽培していた麦類(大麦)の4倍以上

・地中で育つので、天候の作用を受けにくい(飢饉が起こりにくい)

・原産地が高所の乾燥地帯なので寒いところでも育つ

・ビタミンCも豊富でフランス語のじゃがいもは、『地中のリンゴ』の意味を持つ

・戦争で農地が荒らされても、地中にあるジャガイモは被害が小さくて済んだ

 しかしながら地中で成長し、種子をまかないジャガイモは聖書に出てこないため、当時のヨーロッパ人はこれを食物とすることに大きな抵抗があった。本当に食卓に広まったのは18世紀中ごろとされている。

 じゃがいもを手に入れたことで彼らの生活水準は一挙に向上する。冬季の食糧不足、栄養不足による飢饉から解放された。また、余った麦やじゃがいもを家畜のえさとすることで、餌のない冬には殺していた家畜をそのまま養うことができ、いつでも新鮮な肉を食べられるようになった。こうして、体力をつけ体格もよくなり人口も増加した彼らは一挙に世界を征服していくことになる。もし、じゃがいもがヨーロッパにもたらせなければ、その後の歴史は間違いなく変わっている。 

 さて、マクドナルドでおなじみのフライドポテト、もとはフランスで始まったのでフレンチフライと言う。じゃがいもは北米にはヨーロッパから逆輸入され、アメリカの発明はじゃがいもを薄くスライスして揚げたポテトチップスだそうである。英国でおなじみの「フィッシュ&チップス」で使われるじゃがいもは薄くスライスしていない。

「文明を変えた植物たち」 著者;酒井伸雄 出版;NHKブックス