footera1953’s diary

本、旅テーマは色々ある。まだ、方向性は固まっていない。

オクトーバー(うんちく)

 うんちくネタはもう募集していないが、過去10年くらいで書き溜めたネタ帳から一つ蘊蓄を紹介したい。

①「(海の)たこ」を英語で言うと「オクトパス」

②「10月」を英語で言うと「オクトーバー」

では、たこの足は何本?

「10本」・・・・・☓。 正解はむろん「8本」。 

 このオクトは、「8」を意味するギリシャ語から来ている。ちなみにギリシャ語の1~10は、モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクト、ノナ、デカンであり、これらの数文字を使ったカタカナ語はよく耳にする。例えばモノレール、ジレンマ、トリプル、トリコロール、テトラポットペンタゴン等々

 では、なぜ10番目の月に8の数字が使われているのか、これが長年疑問であった。と言うより、実はたこの足は10本だとずっと思っていた。

 その解答を見つけたのは、20年くらい前に知人に薦められて読み始めた「ローマ人の物語」(塩野七生著)の中だった。詳細は、「ローマ人の物語Ⅰ(全15巻)」のp38~p40に書かれているのでそれを見てもらいたい。ここではその概要を説明する。

 紀元前700余年2代目ローマ国王ヌマ王は、初代ロムルス王が定めた暦を見直すこととし、それまでの11月を新しい年の始まりとした。しかし、ヌマ王は暦は見直したものの、月の読み方を変えると国民が混乱すると考え読み方は変えずに残した。そのため元々8番目の月(オクトーバー)が新しい暦では10番目の月となった。この2,700年位前の出来事が今日の私を悩ませていたわけである。11月(ノナ→ノーベンバー)、12月(デカン→デッセンバー)も同様。

 このヌマ王は暦の見直しと同時に1年を355日と定めることも行っている。現在の1年365日に変えたのは皆さんご存知のユリウス・カエサル(Julius Caesar 英語読み;ジュリアス・シーザー)である。

 カエサルの死後彼の名誉をたたえ、彼の誕生月でそれまで5番目の月と呼ばれていた7月は、Julyの名づけられ今日に至っている。

 「ローマ人の物語」は一巻/年のペースで発行され、15巻完成まで15年かかった大作。当時2,200円/巻と結構良い値段するので、半分は文庫で購入し残りは図書館で借りて読んだ。

補足;塩野氏はヌマ王が11月を年の始まりに変更したように説明しているが、ヌマ王以前のカレンダーは1年が10か月としていた。彼は1年を355日と定めるとともに10か月→12か月へ変更し、その際それまでの1月~10月の手前に新たに1.2月を加えたため、従来の1月が3月になり、8月(オクトーバー)が10月になった。