footera1953’s diary

本、旅テーマは色々ある。まだ、方向性は固まっていない。

リベラルアーツ

出口治明の「人生を面白くする本物の教養」から

教養人の代表者が自ら教養と名をつけた本。気に入った話をいくつか抜粋してみた。

1.英国の中学校に通う娘の宿題がすごい。
「中世にサセックス地方の裕福な農家へ嫁いだ女性の日記、その農村を仕切っていた地主の執事が書いた記録、その時代の農村を調べたオックスフォード大学の教授が書いた論文」この三つを読むにあたってどういう点に注意したらよいか・・・・これが宿題。
娘の回答
「嫁いだ娘の日記に嘘はないだろうが、情報がない時代自分の目で見える狭い範囲のことに留まっていると思う。執事の記録は年貢を多くとりたい気持ちが働いているから収穫量が膨らませてあるかもしれない。教授はなんだかんだ自分の学説に都合のいいように脚色されている恐れがある」
2.北欧の政治教育
「もし、あなたが有力候補を支持するのであれば、三つの方法がある。すなわち、有力候補の名前を書いて投票するか、白紙で投票するか、棄権するのどれか。逆に有力候補を支持しないなら、あなたには一つの方法しかない。つまり投票に行って別の候補の名前を書くしかない」
3.英国首相チャーチルの言葉
「選挙とは、ろくでもない人の中から、現時点で税金を上手に分配できそうな少しでもましな人を選びつ続ける忍耐そのものを言うのである」
「だから、民主主義は最低の仕組みである。ただし、王政や貴族政、皇帝政など人類のこれまでの政体を除いては」
4.消費税について
税金とは公共財や公共サービスへの対価。社会保障は公共サービスの中核。公共サービスは給付であり、税金は負担。負担と給付はコインの表裏。
社会保障と言う給付は全市民が対象。所得税は働く人だけが対象。働く人が少なくなった現在、働く人だけで負担するのは無理。全市民が負担(消費税)するしかない。
 サッチャーは言った。
「我々が汗水たらして働いた結果得られる所得に課税するのは、勤労を罰することになる。それよりも、個人が選択的に消費する際に課税する方がずっと公平だ。血縁の有無を問わず20代、30代の人への贈与税率を0%にしたら、高齢者から若い世代に自然とお金が回って消費に繋がる。