生まれて初めて、小劇場で不条理劇を見てきた。100人キャパのホールの一番前。
大劇場、中劇場を含め演劇を見たのは、50年近く前に見たミュージカル劇「屋根の上のヴァイオリン弾き」と30年くらい前に見た欽ちゃん劇団の舞台と2回しかない。
『小さな家と5人の紳士』 劇団東京乾電池
パンフレットの紹介は
『どうしてお母さんを、縛っているんです・・・?』
『こうしておかないと、逃げちゃうんです』(柄本明役)
『逃げる・・・?』
『ええ。あなた方は逃げたりしませんか・・・?』
『私たちがですか・・・?』
舞台に段ボール箱が一つ、そこから始まる…。
となっていて、作者は不条理演劇の第一人者、別役実です。パンフレットの続きを一部紹介すると
「明確なストーリーも、起承転結もありません。5人の紳士たちはどこからともなく現れ、またどこからともなくこの紳士たちに絡む人物(柄本明ほか)たちが現れ、わかるようなわからんようなことしたり、して、そして、終わっていきます。」
となっている。舞台の内容はこの説明通りである。
ちなみに不条理とは
物事のすじみちが立たないこと。道理に合わないこと。また、そのさま。
と辞書にある。不条理の意味は何とか分かるが、不条理劇を調べるととても大変である。ほぼ理解不能で不条理なことが書いてある。
で、お芝居、舞台はどうだったのということだが、私個人としては面白かった。舞台と言っても、一番前の席と同じレベルの5m位先で芝居をしているので、息遣いが聞こえてくる感じも良かった。正しい楽しみ方かどうかわからないが、セリフをかんだり、変な間があったり、客席のくしゃみで柄本さんがセリフを詰まらせたり、物語がない分いろんなことにドキドキしながら鑑賞できる。泣いたり怒ったり感情を揺さぶられる的な芝居より良いかもしれないと思った。
柄本明は講演後のあいさつで
「面白かったと思う人とつまらなかったと思う人がいると思いますが、つまらなかった人は仕方ないですね」と言っていた。そういうつもりで演じているという事だろう。
60分くらいの上演時間も初心者にはよかったし、起承転結はないものの進行する中で色々出来事があって盛り上がるシーンは用意されているので退屈はしない。
4日間で9公演。チケット料金4,000円(なぜか25歳以下は2.500円)
計算してみた。チケット完売してMAX360万円の売り上げってどうだろうか?演者6人、舞台装置は段ボール箱2つとガラス瓶、枯れ木1本と後は衣装。
演劇を見て楽しかったので久しぶりのブログ投稿でした。今日は上原ひろみのコンサート。上原ひろみが好きな人に不条理演劇が向いているのかどうか知りたい。