お題「披露する機会がないけど語りたい薀蓄(うんちく)教えてください。」
本ブログで昨年のワールドカップについて触れた中に、フランス代表が黒人だらけと言う話をした。逆に優勝したアルゼンチン代表にはほとんど黒人選手はいない。(ゼロだったかもしれない)。今日はそんな疑問から生まれた中南米、南米の人種事情についての蘊蓄を紹介。出典は「ラテンアメリカ500年:清水透著)」
ラテンアメリカ三つの場
ラテンアメリカ各国のサッカー代表メンバーは次の三つに色分けされる。
①先住民インディカ中心の国(メキシコ、中南米)・・・ただし、多くはスペイン人との混血
②ほぼ白人の国(アルゼンチン、チリ)
①メキシコに代表される中南米には、元々インカ帝国、アステカ王国が栄えており、そこをスペインが征服した。16世紀前半のこと。先住民インディカは当初征服者の兵士となり他地区の征服に使われる。その後金銀鉱山や農園の労働者として支配された。
②元々、先住民があまり住んでいないか、アマゾンの奥に逃げて行ったエリア。資源もあまりなく植民地化としては遅れたエリア(19世紀後半)。開発のためにイタリア、南ドイツから多くの移民を受け入れた。奴隷制度がなくなってからの開発なので、ブラジル以外に黒人がほとんどいない。
③カリブ海の島々では、白人が持ち込んだ疫病で死滅したり、他の島に逃げたりして先住民がほとんどいない。その後大陸への中継基地としてあるいは労働者としてつれてきた黒人奴隷が多く住み着いたエリア。
南米(含む中南米)諸国のサッカー代表の人種は様々であるが、国によって偏りがある。いずれにしろ原住民であった人種を見ることはほぼない。スペインなどの侵略によって駆逐されたからだが、その歴史によって各国の人種事情が異なり興味深い。