これまで、西洋画6作品、日本画8作品の解説シナリオを作り、それを暗記して発表してきた。
本日の報告は、シナリオ作成をしながら日本画の画材として、屏風やふすまが使われるのはなぜかな?と思ってそのあたりの解説を考えた。以下そのシナリオの抜粋である。
「日本画の形式として、掛幅、屏風、ふすまを素材としていることに特徴があります。このことについて少し説明します。
日本家屋は木材の柱を四方に立て荷重を支える構造を取っていたため、開口部を大きくとることが出来ました。広い開口部には引き戸式の障子をはめて明かりを取り込みます。また、部屋の間仕切りはふすまを使うため壁が少ない構造になります。一方で西洋の家屋は、レンガ積みや石積みの壁構造(壁で荷重を支える)であったため、構造上弱点となる窓などの開口部を大きく取れずに壁が多い構造でした。こういう家の構造も日本画独特の形式が生まれた要因になっています。」
指導官からは、面白い話だけど見学者は作品の解説をしてもらいたいので、これはあなたのポケットに入れておいてくださいという評価であった。
ちなみに著名な現役日本画家、千住博さんは、氏の著書(芸術とは何か)の中で「岩絵の具を使って和紙に書いてあればそれは日本画です」と言っています。
(岩絵の具;動物のコラーゲンから作った膠(にかわ)を接着剤として顔料に混ぜたもの。油絵の具は、植物性の油を接着剤として使います)
こちら(つい『こちら』を使ってしまう)のうんちくもシナリオに入れたが、同様にポケットに入ることになった。